Polstob
2026年10月23日(金)
続報マクロ

日銀ストレステスト、AI・原油・金利ショックでも銀行の自己資本は規制水準を上回る

日本の銀行による海外ノンバンク向けの貸出・投資は2026年6月末に126兆円となり、2008年3月の8兆円から膨らんだ。今回のテストでは、海外のプライベートクレジット・ファンド向け貸出の損失を新たに織り込んだ。

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要点
  • 国際統一基準行の自己資本比率(試算)、海外金利上昇シナリオplus · 2028年度末(試算)8.9 %
  • 同、ベースライン・シナリオ · 2028年度末(試算)12.8 %
  • 日本の銀行による海外NBFI向け貸出・投資 · 2026年6月末126兆 円
  • 大手行の海外貸出に占める海外ファンド向け/データセンター向けの比率 · 2026年10月号のレポート時点9 / 3 %

日銀は2026年10月23日に公表した金融システムレポートで、海外金利と原油価格の上昇に、ノンバンク投資家によって増幅されたAI関連投資への期待の後退が重なった場合、国際統一基準行の自己資本比率は2028年度末に8.9%まで低下するとの試算を示した。ベースライン・シナリオでは12.8%となる。レポートが海外金利上昇シナリオplusと呼ぶこのシナリオでも、日本の銀行の自己資本比率は全体として規制水準を上回る。国内基準行(信用金庫を除く)は8.8%で、規制水準であるコア資本比率4%を上回る。

2028年度末の自己資本比率(試算)、シナリオ別(%)
銀行の種類ベースライン・シナリオ金融調整シナリオ海外金利上昇シナリオplus
国際統一基準行12.810.18.9
国内基準行(信用金庫を除く)10.48.68.8
信用金庫14.012.613.2

出典: Bank of Japan, Financial System Report (October 2026), Chart VI-2-5 and Chart VI-2-7, 2028年度末(試算). レポートによると、規制水準は国際統一基準行が普通株式等Tier1(CET1)比率4.5%に2.5%の資本保全バッファーなどを加えた水準、国内基準行がコア資本比率4%。

このシナリオでは、米国のAI関連株がITバブル崩壊時並みに急落し、ノンバンク金融仲介機関(NBFI)の増幅効果によって米国の社債スプレッドが2026年4月号のレポートの想定よりさらに600ベーシスポイント拡大すると想定した。レポートによると、国際統一基準行は有価証券の評価損益が規制上の自己資本に算入されるため、株価と債券価格が同時に下落すると自己資本が大きく圧迫される。

海外金利上昇シナリオplusの想定(ベースラインからの乖離幅は概数)
  • -7%アジアの実質GDP(最大乖離幅)
  • -5%米国の実質GDP
  • -4%日本の実質GDP
  • -50%米国の株価
  • -40%日本の株価
  • +1,100 bp米国のBBB格社債スプレッド
  • $180 /バレルWTI原油先物(一時的な想定水準)

出典: Bank of Japan, Financial System Report (October 2026), Chart VI-2-6 and section VI-B, 試算期間:2026年4〜6月期〜2029年1〜3月期.

レポートによると、日本の銀行による海外NBFI向けの貸出・投資は2026年6月末に126兆円と、2008年3月の8兆円から増えた。海外投資ファンドによる日本市場での保有額は2008年3月の111兆円から408兆円に達した。日銀は、海外ファンドやデータセンター向けの貸出を手がける銀行はポートフォリオの質を注意深く管理する必要があるとしている。

情報源
  1. Bank of Japan, Financial System Report (October 2026), full text (English translation, PDF), 2026年10月23日 08:00 CEST
  2. Bank of Japan, Financial System Report (October 2026), release page, 2026年10月23日 08:00 CEST
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